中学で習う 助動詞と「同じ表現」
助動詞 | 助動詞の言い換え | 意味 |
must | have to | ~しなければならない |
will | be going to | ~だろう、するつもりだ |
can | be able to | ~できる |
must⇔have to (has to)
ポイント!
mustは助動詞なので、疑問文・否定文は助動詞の規則で作ります。
(助動詞の規則:助動詞を前に出すと疑問文、助動詞の後ろにnotをつけると否定文)
「助動詞の規則」詳しくはこちらへ⇩
have to は一般動詞と同じ扱いになります。疑問文・否定文は一般動詞の規則で作ります。
そして一般動詞扱いなので、三単現のsの決まりに注意しなければなりません。
must, have to の肯定文
I must go to school.(私は学校に行かなければならない)
I have to go to school.(私は学校に行かなければならない)
mustをhave toに代えて入れるだけでほぼ同じ意味の文章になりますが、have toは一般動詞扱いなので主語が三人称単数(I , you ,複数以外の主語)のときはhas toに変化するので注意しましょう。
主語が I,You,複数 | それ以外 (三人称単数) |
have to | has to |
She must go to school.(彼女は学校に行かなければならない)
She has to go to school.(彼女は学校に行かなければならない)
must, have toの否定文
意味が変わってきますので注意が必要です!
must not (mustn’t)~=~してはいけない
don’t(doesn’t) have(has) to ~=~しなくてもよい
I must go to school.(私は学校に行かなければならない)これを否定文にすると…
I must not (mustn’t) go to school?(私は学校に行ってはいけない)
助動詞(ここではmust)の後ろにnotを付けると否定文になります。
I have to go to school.(私は学校に行かなければならない)これを否定文にすると…
I don’t have to go to school?(私は学校に行かなくてもよい)
have toは一般動詞と同じ扱いなので、don’tをhaveの前に付けて否定文になります
She has to go to school.(彼女は学校に行かなければならない)これの場合は…
She doesn’t have to go to school.(彼女は学校に行かなくてもよい)
三単現のsがつく場合には、doesn’tをhaveの前に付けて動詞を原型に戻すのが
一般動詞の否定文の作り方です
must, have toの疑問文
I must go to school.(私は学校に行かなければならない)これを疑問文にすると…
Must I go to school?(私は学校に行かなければなりませんか)
助動詞(ここではmust)を主語の前にを出すと疑問文になります。
基本的な受け答え
Yes, you must.「はい(あなたはしなければなりません)」
No, you don’t have to.「いいえ(あなたはしなくてよいです)」
「しなくちゃないの?」への返答は「いや、しなくていいよ」が普通ですよね?
must notだと「してはいけない」という意味になるので、don’t (doesn’t) have toにして「しなくてもいいよ」という表現にしているのでしょう。
I have to go to school.(私は学校に行かなければならない)これを疑問文にすると…
Do I have to go to school?(私は学校に行かなければなりませんか)
意味的にはmustとほぼ同じですが、have toは一般動詞と同じ扱いです。
ですので、一般動詞と同じでDoを主語の前に付けて疑問文になります。
基本的な受け答え(一般動詞の受け答えと同じです)
Yes, I do./No, I don’t.
She has to go to school.(彼女は学校に行かなければならない)これの場合は…
Does she have to go to school?(彼女は学校に行かなければなりませんか)
三単現のsがつく場合には、Doesを主語の前に付けて動詞を原型に戻すのが
一般動詞の疑問文の作り方です
基本的な受け答え(一般動詞の受け答えと同じです)
Yes, she does./No, she doesn’t.
will⇔be going to, can⇔be able to の疑問文・否定文
ポイント!
will,canは助動詞なので、疑問文・否定文は助動詞の規則で作ります。
(助動詞を前に出すと疑問文、助動詞の後ろにnotをつけると否定文)
be going to, be able to はbe動詞を使う文です。
疑問文・否定文はbe動詞の規則で作ります。
will⇔be going to, can⇔be able to の肯定文
I will go to school.(私は学校に行くつもりです)
I am going to go to school.(私は学校に行くつもりです)
She can go to school.(彼女は学校に行くことができる)
She is able to go to school.(彼女は学校に行くことができる)
このように変えてもほぼ同じ意味になります。
will⇔be going to, can⇔be able to の否定文
I will not(won’t) go to school.(私は学校に行くつもりはありません)
I am not going to go to school.(私は学校に行くつもりはありません)
be動詞の文はbe動詞の後ろにnotを付けると否定文になりますので、be going to はその規則で変化します。
She cannot(can’t) go to school.(彼女は学校に行くことができない)
She is not able to go to school.(彼女は学校に行くことができない)
be動詞の文はbe動詞の後ろにnotを付けると否定文になりますので、be able to はその規則で変化します。
will⇔be going to, can⇔be able to の疑問文
Will he go to school?(彼は学校に行くつもりですか)
受け答え:Yes, he will./No,he will not(won’t).
※won’tはwill notの短縮形
Is he going to go to school.(彼は学校に行くつもりですか)
受け答え:Yes, he is./No,he is not(isn’t).
be動詞の文はbe動詞を主語の前に移動すると疑問文になりますので、be going to はその規則で変化します。
Can she go to school?(彼女は学校に行くことができますか)
受け答え:Yes, she can./No, she cannot(can’t).
Is she able to go to school?(彼女は学校に行くことができますか)
受け答え:Yes, she is./No, she is not(isn’t).
be動詞の文はbe動詞を主語の前に移動すると疑問文になりますので、be able to はその規則で変化します。
なぜ同じ意味なのに表現が複数あるの?
助動詞の場合、大きく分けて2つの要因があるようです。
言語の宿命?ニュアンスなどの違い
「ほぼ同じ」というだけで、実はちょっとニュアンス・度合・使う場面などが違ったりします。
それは日本語だって同じですよね。
「これ食える?」
「これ食べられますか?」
「こちらをお召し上がりになれますか?」
全部同じことを聞いていますが丁寧さが違うことによって言い方が違います。英語も同じことです。ニュアンスが違えば言い方が変わって当然です。
それじゃあどのように違うの?
というと、中学段階ではそこまでの細部に至った表現の違いまでは求められていないようなので、今後のお楽しみ(?)でも良いかと思います。でも、こちらに私なりの感覚で違いをご紹介しています。
文法的な用法
例えば「~することができるだろう」という文を英文にしようとすると、
「~できる」はcan、「~だろう」はwillなので、
will can??
でもこういう表現はありません。
助動詞の後ろは動詞の原形が必須です。「助動詞の後ろに助動詞」は文法的に成立しません。
そういう時に、canの代わりにbe able to~を使って
will be able to~「~することができるだろう」とするのです。
このように、助動詞が2つ連続するような表現のときは言い換え表現を使って文を作ります。そういう文法的な側面もあるということですね。
助動詞の言い換え表現まとめ
助動詞 | 助動詞の言い換え | 意味 |
must | have to | ~しなければならない |
will | be going to | ~だろう、するつもりだ |
can | be able to | ~できる |
中学段階では、基本的にはこの表のように言い換えられると考えて良いでしょう。
ただ、助動詞の言い換え表現は言わば「助動詞っぽいもの」であって、厳密な「助動詞」ではないので、疑問文や否定文にする場合は注意が必要です。
また、実際にはニュアンスが違ったりします。詳しくは高校で学習することとなりますが、今のところは「だいたい同じ意味で使えるんだな」という認識でOKだと思います。
とは言え、気になる方もいると思うので、おおざっぱなイメージの違いを下に挙げておきます。
単語 | must |
ニュアンス | 自分から見て「やれよ!」的な感じ。 強制度合いは命令とほぼ同じ。 |
単語 | have to |
ニュアンス | 一般的に見て「やらなきゃない」感じ。 強制度合いがmustほどキツくない。 |
単語 | will |
ニュアンス | 自分の意志で「(あとで)やる」感じ。 確実に決まっていない未来を表す感じ。 |
単語 | be going to |
ニュアンス | (流れ的に)これからそうなる感じ。 まず確実に訪れる未来を表す感じ。 |
単語 | can |
ニュアンス | 自分が「できる」と判断している感じ。 そういう能力があるよ、と言ってる感じ。 だからちょっと不確実。 普段の会話ではほとんどこっちを使う。 |
単語 | be able to |
ニュアンス | 状況的にその場で実現可能な感じ。 canより確実なイメージ。 ちょっと固めの表現なのでフォーマルな感じ。 |
普段の会話では、あまりキツい表現、断定的な表現は使わない傾向があります。
我々日本人もそうですよね。
友達に「~しろよ!」とか「できるにきまってる」などの表現を冗談半分に言うことはあっても、普通は「~した方がいいんじゃない?」とか「できると思う」くらいの表現で留めることが圧倒的に多いと思うんですよね。英語もそんな感じらしいです。
だから、mustとかbe able toとかは、普段の会話ではあまり出て来ないようです。それにbe able toの場合は3語で言うより、can1語の方が絶対楽ですしね。
もし、英語圏の方と話す機会があれば、なるべく柔らかい表現で話せるようにニュアンスも理解した方が良いかもしれませんが、前述のように、中学段階のペーパーテストではここに挙げた言い換え表現は「だいたい同じもの」と扱って良いと思います。一応参考までに。
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